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視線誘導

物語をスムーズに読ませる為には、視線を誘導してあげなければならない。

視線をうまく誘導してあげれば、スラスラと物語が頭の中に流れこみ、心地よい。

 

 

 

 

視線誘導とはなんなのか?

視線誘導を表わすこんな図を用意した。

(A)と(B)に描かれた、1~5の数字1から順に目で追ってみてほしい。

(A)は、数字を追う場合ゴチャゴチャしていて追いかけにくい。

(B)は順序良く並んでいるので非常に見やすい。

 

視線誘導のとして一番簡単なものといえば

 

規則性を作り、読みやすくする。

というものだ。

 

読ませたい順番があるなら、規則性の順番通りに置いていくというもの。

規則性を作らず、絵を描くと、ごちゃごちゃとしてしまい、読む気にもならない。

読ませたい順番があるならば、規則性(流れ)を作り読者の視線をコントロールする。

そして、順番通りに読んでもらうのだ。

 

これがうまくなれば、絵がごちゃごちゃしていてもスラスラと読めてしまうのである。

名探偵コナンなどはわかりやすい例で、絵の面積よりも文字のほうが多い。

しかし、それでも読めてしまうのは、視線誘導のなせる業だろう。

2.白と黒の視線誘導

1.の項目では規則性を使い、視線を誘導した。

2.の項目では白と黒を使い、視線を誘導する。

 

白と黒の視線誘導を使えば、1.で説明した、ごちゃごちゃな絵も少しは認識が速くなる。

背景が黒のほうは、すぐに「丸」をみつけられ、「丸」の認識が速くなった感じがしないだろうか?

これは、背景である黒の処理を脳が後回しにしたからだ。

それによって、認識が速くなったと考えられる。

なぜ処理を後回しにしたのか?

 

それは、黒が白に比べて情報量が多いから。

 

わかりにくいと思うので、図で説明してみる。

右(→)へ行くにつれて、情報量が多くなっているのが分かるだろう。

情報量が多すぎると、脳としてはめんどくさくて仕方ない!!

そこで、情報量の多い絵は後回しにして、

最初は情報量の少ないものから処理していく。

 

めちゃくちゃ密度の濃いマンガって読むのに時間かかるだろう? そういうことなのだ。

 

情報量の多い黒より情報量の少ない白のほうが視線が移動しやすい

 

例えるなら、

視線は火のようなものだ。

情報量の多い黒(質量の多い鉄)より情報量の少ない白(質量の軽い紙)のほうが火(視線)が移動し(燃え)やすい。

火の流れを作ってあげるのが視線誘導だ。

 

では、実際に黒と白を使い、視線誘導を行ってみる。

 

これを「あ」「い」「う」の順番で

読みやすくさせるためにはどうするか。

確かに見やすい!しかし、まだ物足りない。

これならどうだ!

周りを黒(鉄)で囲み、流れを作ることで、白(紙)だけに視線(火)が誘導されている。

これで、「あ」「い」「う」の順に読みやすくなったはずである!

囲いは黒だけにしか作れないというわけではなく、書き込みを多くして情報量を増やすことでも似たような効果がある。

 

これが黒と白の視線誘導である

 

ちなみに、視線誘導とは別の話になるが、視線は火という話がでたのでついでに説明する。

「次が読みたい」」という思いは、火力例えられる。

「次が読みたい」という思い(火力)は、あまりにも情報量が多いと、弱まってしまう。

(例えると、燃えにくいものを火力を見ずに次々くべると、火力がどんどんなくなってしまうようなもの)

火力(次が読みたいという思い)が一度でも無くなってしまうと、火(視線)をつけさせるのは大変な仕事である。

 

次を読みたいという思い=火力

 

では、火力(次を読みたいという思い)を上げるにはどうしたらいいんだ!!

と思う。

 

方法は二つある。

 

1.エロとグロは着火剤

「エロとグロがあれば話が面白くなくてもなんとなく読んでしまう!」なんてことはないか?

それは、エロとグロは着火剤で、

 

火に着火剤ぶちこんだら火力(読みたい気持ち)は強くなるに決まってる!」

ということだ。

 

エロとグロがあれば、まぁ、なんだかんだでいけるよ。

使い方を間違えると自分がやけどする(「あの人、グロとかエロとか描く人だよねぇ」)ので、気を付けよう。

やけど気にしないなら問題なし。周りの視線がやけどのように表皮をちくちくと刺してくるだけ。

 

 

2.上手な視線誘導で火を大きくする!

視線誘導が上手な人は、火おこしが上手な人のようなもの。

火力(次が読みたい気持ち)が弱まらないように上手い具合に紙や木(情報)を火(視線)にくべていく。

 

火おこし

 火の小さな時は、紙のようなもので火を大きくする。か、着火剤を使う。

 

マンガに置き換えると

 最初のページは、あまり情報量は多くしない。エロ・グロ・アクションなどを入れると、ぐいっと物語に引き込まれる。

 

 

火おこし

 火が大きくなってきたら、燃えにくいものでも燃やすことができる。だが、空気がないと火は消える。

 

マンガに置き換えると

 話に入り込んでもらえたら、情報をたくさんいれても大丈夫。ただ、情報量が多すぎると飽きる。

 

・視線は火である。

・次を読みたいと思う心は火力である。

・視線誘導は火おこしである。

・エロ・グロは着火剤

3.力の向きを利用した視線誘導

話は視線誘導に戻ります。これは超簡単。

(B)は力の向きを指示して、視線を誘導させている。

が、(A)は力の向きが皆ぐちゃぐちゃなので、誘導できてない。

 

人間の図で説明すると

まぁ、こういうことです。絵では、体の向きですが、力の向いてる方向なので間違えないようにしてください。

力の向きによる視線誘導は、視線の交通整理みたいなもんですね。

「こっちに行ってください」と指示してあげて、絵のごちゃごちゃを無くす。

視線を止めたかったら「止まってください」と視線を止めてみるのも、ありですね。

 

 

1.規則性による視線誘導

2.白と黒による視線誘導

3.力の向きによる視線誘導

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