カメラ
1.被写体との距離
被写体との距離で、説明する能力が変わってくる。
「ロングショット」
感情は入ってこず、状況説明に適している。
「ミディアムショット」
感情が多少入ってくるので、状況説明能力はロングより小さくなる。
「アップ」
感情の説明に適している。
「ハイパーアップ」
感情のみの説明。
状況説明能力はゼロ
3.レンズ (望遠と広角)
望遠
広角
レンズの視界
望遠のほうが、人間の目に近いらしく、感情移入しやすい。
感情のこもるシーンなどでは望遠で撮影したほうがいいだろう。
望遠と広角の違いは「この記事」に載っていたので、ぜひ
記載したのは、ざっくりとした説明である。
さらに詳しい話になると、絵の技術的な話になってくるので、
知りたい方は「望遠・広角・パース」で自分で検索してほしい。
2.アングル
アングルとは目線である。人それぞれ目線は違う。
そのため、アングルで感情移入できるかどうかが変わってくる。
実例で宮崎駿は、アルプスの少女ハイジを撮る際、アングルを通常より低いアングル。つまり子供目線の低いものにした。
何も考えずに描けば、もっと高い視点になってしまうだろうが、
子供目線で描くことで、映るものすべてがハイジの目線(感じる風景)になり、
ハイジに感情移入できるのだ。
これから、主人を呼ぶ中型犬という絵をアングルを変えて、かいてみる。
犬側からのアングル。犬に感情移入できる。
「まだ帰りたくないワン!」って感じ
主人側からのアングル。主人に感情移入できる。
「うちの犬は可愛いなぁ」って感じ。
二つとも、主人を呼ぶ中型犬という絵だが、
アングルによってここまで感情移入する対象が変わってくる。
「主人を呼ぶ中型犬という絵を描けばいいんだろう。」と最初に思いついた描きやすいアングルで描いてしまうと、感情移入する対象が変わり、意味のまったく違うものになってしまうので注意が必要だ。
誰の目線で物が語られているのか、今は誰の目線で物を語りたいのかを考えなければならない。
さらに、感情移入は必要なく
「主人を呼ぶ中型犬」という図を説明したいだけならば
これなら、第三者から見ている図になる。
第三者が物語の主役をみている図なので、状況説明に適している。
さらに場所は同じでも、感情が違ければ、視点は大きく変わる。
例)話を聞くのに夢中
例)話よりもドアの近くにに立っている
美人が気になる。
例)おばあちゃんに席を譲るか悩んでいる。
会話はもう耳に入っていないので、
フキダシは断ち切られている。
これらの支点は全て同じである。
しかし、感情が違うためアングルが違う。
「会話しているから、話している相手を撮ればいいだろう」と簡単に描いてはいけない。現実では、会話はしていても話を聞いていないことなんてざらにあるはず。
誰の視点で、なおかつその対象の感情を考えることが必要だ。
「カメラの存在」
カメラの存在とは何か─
まずはこのシーンを見てほしい。
この絵には違和感が存在する。
それはカメラの存在である。
図にするとこうなる。
二人が会話してるど真ん中に、カメラがいる。
なんともおかしな図である。
これがカメラの存在による違和感である。
カメラはみえないが、カメラワークでカメラの存在は潜在的に感じ取っているのである。
では、人物の後ろからカメラを撮ってみるとどうなるか?
これなら人物の後ろからとっているので大丈夫そうに感じる。が、
カメラの視界にカメラが入り込んでしまっている。(映ってはいないが)
これも潜在的にカメラを感じ、違和感を覚える。
次は、
「何があるか分からない暗い部屋へと入る主人公」
という絵をかいてみる。
この場合、カメラが人物よりも先に入ってしまっている
その為、カメラのいる場所までは安全という感覚を受け取ってしまう。
こうすれば、まだ何があるかわからない部屋へと入る という図になる。
つまり、カメラは見えはしないが存在自体はそこにあるので、
そこにカメラを置いても映像に影響しないかを考えなければならない。
例2)崖
崖から落ちてしまいそうな緊迫したシーン
だが、なにかがおかしい。
カメラマンが下から撮っていることで、落ちても安全な場所が下にはあると感じさせてしまう。
なんともシュールである。