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ページ

マンガにおけるページとは、シーンの合算である。

重要なのは、シーンをうまくつなぎ合わせること。

うまくつなぎ合わせられないと、「ブチッ」「ブチッ」と音が聞こえてきそうな、

ブツ切りされた感じのマンガになってしまう。

これでは、いくら一つ一つのシーンが良くても感情移入できない。

それは、動画を見ている時に、すぐに読み込みするため停止してしまうような苛立ちを覚える。

 

では、流れを作る技術を

 

 

1.動きの繋がりを意識する

人を殴る絵があるとする

次の絵はどうなるだろうか?

確かにこうなる。が、これは視点が動かない(映画や、テレビなどの)場合である。

 

マンガの場合、視点は右から左へ移動するので

こうである。人を殴った人→人に殴られた人の次は

殴られた人のリアクション→殴った人物の殴り終わりである。

イマジナリィーラインは超えているが、説明の為の絵なので今は気にしない。

まだ少しわかりにくいと思うので、マンガと映画・テレビとの視点の違いを赤線で示し繋がりを図にしてみる。

映画やテレビの場合は、視点は真ん中を中心にして全体的に動いている。

このような縦並びの目線運びである。

マンガはこういうことである。

このマンガの右から左の流れの時に、映画・テレビ的な映像のつなぎ方をすると─

コマ送りのような感じを受けるので、そういう意図のある時以外は使わないようにしよう。

スラムダンクを読んだことのある人ならわかると思うが、ラストの山王戦でこのような演出が行われていたが(リバウンドを取る瞬間など)

あれは、ふつう追いつけないはずの動きをとらえるという意味のスローモーション映像みたいなものである。

ページ全体・そして、ページとページの繋がりできちんと動きの繋がりを意識しなければ、ブツ切りの映像になってしまう。

つなぎの部分は、実際には完全に離れているので、それをつなげるため通常より動きの繋がりを意識してあげなければならない。

そうしなければ、誰が話しているかさえ分からない映像になってしまう場合がある。

例)

「久しぶり」と言っているが、AとBどちらが話しているのだろうか?

正解はA

しかし、マンガ的にみると確実にBである。

Aに「久しぶり」と言わせたいのならば、Aの立ち位置にBが来るべきである。

実際的には言葉選びなどで誰かは分かるが、違和感は残る。

その違和感は、読み終えるまで終わらない。

このような違和感を重ねていけば、こんがらがった紐のようになってしまう。

話としては、単純な話(一本の紐)のはずなのに、構成の仕方だけで複雑な話になってしまう。

 

 

ドラゴンボールで繋がりの説明をしている記事があるので乗せておく。

http://nikaidorenji.blogspot.jp/2014/03/blog-post.html

2.ページの繋がりで広がりを演出。

ページの繋がりで変化を持たせることによって、広がりを感じさせることができる。

例)

小さなコマから大きなコマへと大きく変化するから広がりを感じる、ように思えるが、

 

そうではない。

 

質量の多い画(黒っぽい画)から質量の少ない画(白っぽい画)へと移動した時、

瞳孔が開き、広がりを感じているのだ。

 

トンネルを抜けた後の景色を見た瞬間の感覚と似ている。

つまり、コマが大きくても質量を多く(黒っぽい画)にしてしまうと広がりはあまり感じられない。

 

例)広がりを感じられない例

 

ページの余白について

ここから説明するのは、コマとコマの隙間について

この隙間は読書スピード、シーンの時間を調節するものである。

 

つまり、この隙間は息抜きの時間である。

 

では、この余白のパターンを紹介しよう。

「往年の主流」

ページとページの間に余白があり、

ゆっくりとマンガが読める。

「近年の主流」

ページとページの間には余白がない。

ページをめくるとすぐに情報が入ってくる。

その為、ページをめくった時の驚きは大きい。

「少女マンガなどで多くみうけられる形」

余白はなく、次々と映像が入ってくる。

その為、息抜きをする場面がないので、

追いつけなくなる場合がある。

このように余白によってそれぞれ特徴がある。

上のほうで記述したキャプテン翼の画像は、アクションシーンの為、余白が少ない。

これは息継ぎする間も与えぬことでスピード感を出しているのだ。

 

この余白は、シーン内に存在する余白とは全く別ものである。

 

シーン内に存在する余白は、

シーン内の時間や動きに関係してくる。

 

ページの余白は、

息抜きの時間であり、これによって情報の流れてくるスピードを調節するものだ。

ページの余白は情報の入ってくるスピードを調節することなのでページの余白は「じらし」に使えるだろう。

 

例)クイズ番組を例にしたじらし。

いうなれば、

(A)は、「正解は─」の後にコマーシャルでじらす方法。

(B)は、「正解は─」の後にみのもんたがやるじらし方。(一つのシーンの時間が長くなる)

ページの説明は以上。

 

・シーン同士の動きの繋がりを意識する。

・力の向きでページ全体の繋がりを作る。

・余白は息抜きの時間

 

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